こんばんは
旅する写真館from福島の黒羽です。
先日「僕の頭の病気」という記事が思わぬ反響をいただけて感謝しています。
そして今回は主治医の先生から教えていただいた、頭とこころの病気の傾向から紐解く「失ったものと得たもの」という内容です。
僕は今から約7年半前の20代半ばの頃に統合失調症という病気と診断されて以来、低空飛行で生きています。
この病気の症状は様々で、7年半の間に失ったものがいくつかありました。
失ったもの
「同じことが繰り返されてもなかなか慣れないこと」
例えば道路を走る車の音がうるさい、夜間のライトが眩しい、隣の人の話し声が妙に頭の中に入ってくる。
こういう何気ない日々の中でふりかかってくる少しのストレス、一般的にはそれらを繰り返し体験することで慣れたり気にしなくなっていくのに対して、統合失調症の方の場合は毎回うるさいし、眩しいし、度々頭の中で他人の声が邪魔してくる感覚に襲われることがあります。
僕の体感ではそうでした。
これによって人が多い場所や騒音がひどい場所ではイライラしたりひどく疲れることもあって、なかなか慣れずにいます。
失ったもの
「今しか認識できないこと」
これは情報の受け皿が狭いというか、小さいというか、そういうことに起因するのかもしれません。
過去に失敗を経験していても同じようなことを何度も繰り返してしまうのです。
例えば同じような物を不必要だとわかっていてもまた買ってしまう。
僕の場合、カメラやレンズなどの撮影機材がこれに該当してきますしスマホアプリの課金とかも要注意です。
この病気の方は情報の受け皿が狭くなりやすく、せっかく体験してきた失敗や成功などの過去のデータが膨大すぎて過去と未来を織り交ぜて総合的に考えるのはとても難しいです。
そのため約1ヶ月前後ぐらいの情報は認識していても、それ以降となると記憶はしていてもあまり認識せずに何度も同じミスをしたり、改善しようとしていることも短期的には可能でも長期となると、難しいケースがあるように思います。
だからなのか僕はどんなことがあっても日々のルーティンや積み重ねをされている人が本当にすごいと思っています。
得たもの、それは
「人よりも多くの夢をみていること」
よく夢みがちだねと言われるとどんな感じでイメージしますか? ・地に足がついていない ・現実と理想のギャップがある
こんな風に捉える方が多いかもしれません。
実際のところ、僕自身も地に足がついて生活できていません。
現実と理想のギャップで常に悩んでいます。
それによって多くのチャンスを失ったり、人から「口だけで行動が伴っていない」と思われているかもしれません。
けどそんなにマイナスなことばかりじゃありません。
過去の経験に縛られず、未来を見据えて希望を失うこともなく今を生きているので、言い換えるとどんな夢でもみることが可能なんです。
いつだってスタート地点で生きている気持ちです。
僕の中ではどこで暮らしていても、どんなに気力が湧かなくてうつうつとしていても、いつか自分は夢の場所へ近づけると信じています。

最後に今パソコンの前でキーボードを打ちながらこの記事を書けていることにとても感謝しています。
健康かどうかはわかりません。
いつどうなるかは。
そして、病気があるからといって不自由かと言われると、そこはなんとも言えずにいる自分がいて、もっと不自由な人たちだって大勢いると思うし、夢があるだけで前を向いて生きていられるのです。
小さな夢も大きな夢も大切に。